冬の星-イギリス滞在記(1)

ちょっと自分語りが多くなってしまったので、写真多めにして説明を加えたので、写真見るだけでも少しは楽しめるかなと、、、ぜひ、、、

 

 

冬の星ってどこだと思う?俺はねぇ、アイスランド

 

9月下旬、秋の気配が木々に現われ始めた天気の良いイギリスはBATHの昼さがり、ふと耳につけたヘッドホンから入ってきた言葉だ。いつも通りの完璧にカロリーが計算済みの、昼食ミールセット(ローストチキンのサンドイッチにグリーンスムージー、イチゴのセット3.5£)を抱えて研修先のラボに戻る、その帰路の途中の事だった。(ちなみに上のサムネイル画像はアイスランドではなくイギリスです、)

 

 

ヘッドホンからはチバユウスケの「冬の星=アイスランド」宣言に続き、聞きなれたギターリフが聞こえてきた。スマホを確認してみると、僕のお気に入りの曲「シャロン」の聞いたことのないライブVer.がYoutubeから流れていた。「へぇ、こんなバージョンもあるんだぁ、ギターかっこいいじゃん」とか思いながら、なんとなくラボではなく池のほとりで昼食を摂る事にした。

BATH大学にある通称Duck Pond。天気が良いと鴨達に囲まれながらここで昼食を摂る人も多い。写真を撮った時は別日だが、たまたま噴水に虹がかかっていて揺らめいでいた。

その日はそのままいつも通り昼食を終わらせ、ラボに戻り実験を再開した。確かこの時期はちょうど人員の入れ替わり時期で自分が所属していた研究チームの中で実験が出来るメンバーが研修生の自分しかおらず(この2週間後くらいの10月には新しいPhDが2人来てくれたが)、割と時間に追われる日々だった。

 

今思えば、この人手が減る新学期のつなぎの期間に未熟ながらも一応人手には数えられる自分がいたことは、それだけでだいぶラボに貢献していた気がする。僕の扱いは研修生だから給料払う必要もないし。

 

 

とにかくこの9月下旬は担当する実験や細胞の種類が最多で、1か月半後には研究発表、二か月後には帰国も控えていた自分は珍しくストイックにやっていたように思う。適度な負荷と責任感、そして自分にとって最高な環境(人間関係)だっただからだろうか。与えられた仕事をこなしながら、もし研究発表終わったら帰国までにどこかへ1週間くらい他国へ一人旅にいってやろうと画策していた。

 

それからまた1か月ほどたった10月下旬のある日、自分は都市部への一人旅に向いてないことに気づかされた。この事実は留学最後の一人旅の行先を考える上で非常に重要だったし、これからの将来に僕が行く一人旅にも影響を与える気付きだと思う。

 

そう気付いたきっかけはマンチェスターに週末土日の弾丸一人旅に行った時だった。ちょうど新しいPhDが2人研究チームに来て若干仕事が減った頃合いで、自分が土日家で寝てる事しかしてないことに気づき、焦るように以前から訪れたかったロックの聖地マンチェスターに向かったのだった。

 

 

正直言って、旅の始まりは最悪だった。僕の留学先BATHからマンチェスターに電車で向かったのだが悪天候とイギリスのひどい公共交通機関のお陰で、よくわからない田舎の駅に3時間足止めされた。朝8時に家を出たのにマンチェスターについたのは夕方の4時半。ホテルのチェックインなどをしていたら5時を回り、ほとんどの観光できるような施設はもう閉まっていた。

 

 

意気消沈して友人とラインとかしながら、とりあえず街を歩いた。旅の始まりは最悪だったが、マンチェスターの街はロンドンやオックスフォード、僕の大学のあるBATHとも全く違う空気と歴史(特に産業革命時代の名残)を纏っていて、とても興味深く楽しく散歩が出来た。余談だが、タピオカのお店:貢茶が二つもあってびっくりした。

 

 

当日はハロウィン直前の週末だった事もありとてもにぎわっていた。ストリートDJなんかもいて、路上にちょっとしたクラブができてたり、出店があったり仮装してる人たちなんかもいた。最初は「とっても賑やかだなぁ、いい時期に来れたかもしれない」なんて思っていたが、そんな思いはすぐに寂しさで消えてしまった。だって、みんなは家族や友人たちとグループでわいわいしてたけど、僕は一人で観光客の装いでなんか場違いだったから。

 

 

一人旅なんだから当たり前だろ!パブにでも行って友人でも作ってやろう!という勢いでパブに入ったが、パブの中も賑やかなグループでごった返し一人呑みしてる旅行客なんかいなかった。居場所もなく一人エールを立ち飲みしながら、どこかのグループに思い切って話掛けてやろうと意気込んだが、手足が震えるほどのビビリだったので断念した。結局セキュリティのおっちゃんと少し仲良くなった程度で終わってしまった。

 

 

ちなみになぜかそのセキュリティのおっちゃんに、パスポートを見せながら「俺は日本から来た柔道のプロフェッショナルだ!!」と訳のわからないウソをついてしまった。「恐ろしい、とても君には近づけないよぉ」とノリの良いおっちゃんでよかった。僕の2倍は体格よかったのに。

 

 

そんなこんなで、なんだか煮え切らないままホテルに戻った。今思えば、パブなんかじゃなくてバーに行けばよかったのにとも思うが、まぁそんなアタマが回らなかったんだろう、とにかく悲しくて寂しい思いをしたのを覚えている。そして、このまま次の日も都会のマンチェスターに馴染める気がしなかった。

 

マンチェスターはハロウィンとか関係なくストリートミュージシャンの数もジャンルも多い。
写真真ん中にいるような子供も多かった。
こんな色んな音楽に囲まれた街で育つと思うととても羨ましくなった
マンチェスターの建物。どんな建物かは覚えてないけれど、とりあえず使われている石や
建築技術?的なものがBATHやロンドンとは全く違う時代の雰囲気を感じた。
BATHの建物はこんなにツヤツヤしてないもの

こういったわけで、友人とならまだしも一人で賑やかな都会を楽しむのは自分には結構ハードルが高い事を認識してしまった僕はある強硬手段に出たのであった…。それは、翌日に自然豊かな湖水地方になんの計画も無しに向かう事であった。ちなみにこの翌日の日曜日に僕はそのままBATHに帰らなければならなかった。しかし僕はその湖水地方への旅で自分の新しい一面を知ることになるのであった。。。続く

 

湖水地方、オレストヘッドからのウィンダミア湖の眺め
とっても綺麗だった

ちなみに、BATHからマンチェスターに向かう距離感をざっくり例えると大阪から東京に向かうくらい。マンチェスターから湖水地方に向かうのは東京から群馬に向かうような感じだと思ってほしい。つまり、土曜日の朝に大阪を出たが長野あたりで3時間ほど足止めを食らい、東京に夜につき、翌日朝から群馬に向かいそのまま大阪まで帰るというなんとも無計画な事をしてしまったのであった。

 

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